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2009年12月

2009年12月31日 (木)

SONY規格にもの申す!

たまにはCD音源以外の話題も。

1979年にSONYが「ウオークマン」を発売してから、私たちの音楽環境は劇的に変化したように思えます。それより前は、音楽を聴くという行為は室内に限られ、大きなステレオセットの前に鎮座して、ありがたく名曲を拝聴するというスタイルが圧倒的だったと思います。したがって、ステレオセットも「ありがたい存在」として、どんどん高級化し、大型化を続けていった感がありました。「ありがたい存在」であるステレオセットには、白いレースが敷かれ、花瓶などが置かれていたはずです。

そんな状況で、ウオークマンは手軽に音楽を室外や屋外、そして車中に持ち出せたという点で実に画期的でした。もちろんウオークマン登場以前にも、カセットデッキという持ち運び可能な機器はありましたが、いかんせん機動力という点では限界がありました。ウオークマンはポケットに、鞄の中に忍ばせて、歩きながら、通勤、通学の途中に自分が好きな音楽を聴けるというのが最大の魅力だったのです。

ウオークマンの普及と軌を一にしたのが、携帯型ヘッドフォンの発展です。室内で音楽を聴くうえでは、ヘッドフォンも携帯性から無縁でいることができましたが、当然、ウオークマンの登場以降は、軽くて高性能なヘッドフォンの開発が求められました。ウオークマンが電車の中で使われるようになるにつれて、同時に「音漏れ問題」が叫ばれるようになり、「音漏れ防止」も解決するべき課題として突きつけられました。

ご存じのとおり、ウオークマンには購入時に今も昔も付属ヘッドフォンがついていますが、機能や音質としてはスタンダートタイプ。人間というものは欲深いもので、次第に「もっと良い音質で聴きたい」ということで、ウオークマン本体とは別に、より良いヘッドフォンを追い求めることになりました。頭部をまたぐオーバーヘッドスタイルが何となくダサいということで、両耳から下に下げるスタイルが登場したのも、ウオークマンの大々的な流行があったからこそです。この両耳からぶら下げるスタイルは、いまでも多数派ではないでしょうか。

さて、やたらと前置きが長くなりました。問題は両耳から下げるスタイルが登場したタイミングで、左右のコードを同じにするか、あるいは右か左のいずれかの長さを変えるかという選択です。左右対称の長さならば、使う立場からすると何の迷いも感じませんが、問題は左右非対称の場合です。トップリーダーたるSONYは何を考えたのか、左側のコードを短くして右側のコードは首の後ろに回すという、新しいスタイルを提唱しました。おお、なんというコペルニクス的転回な発想なのでしょう。この新しい鑑賞スタイルによって、電車の中ではやおらヘッドフォンのコードを首に回してから聴き始める姿が見られるようなりました。しかし、冷静に考えて本当にこの聴き方が居心地が良いものだと言えるのでしょうか。もちろん、この聴き方がベストだと確信する人にとっては、何をかいわんやというところだと思います。しかし、生来の天の邪鬼である自分にとっては、

①左右非対称という安定感のなさ

②左右非対称から生じる重量バランスの悪さ

③首の後ろに回すことでの首に対する違和感

の3点がものすごい違和感となって立ちはだかりました。わかりやすく言えば「使いづらい」のです。しかし、この左右非対称スタイルは「新しい形のヘッドフォン」として瞬く間に市場を席巻し、左右対称のヘッドフォンを使う人間は古いなどという無言の圧力を感じるまでになってしまいました。しかし、本当に左右非対称が素晴らしいと思っていた人はどのくらい存在していたのでしょうか。勝手な思いこみかもしれませんが、私が感じた3点の違和感を少なからず感じた人だって、少なからず存在したはずです。でも、「天下のSONYが言ってるんだから間違いない」などと、無理矢理に自分を納得させた人もけっこういたのではないでしょうか。

やがて私のような違和感を感じるユーザーの声に耳を傾ける良心的なメーカーも出てきました。たとえばオーディオ・テクニカさんなどはヘッドフォンメーカーにあって、実に優れた商品を開発していますが、あえて「左右対称」(Yタイプなどと称しています)であることを標示するなど毅然とした姿勢を見せています。その意気や、よし!何もSONY規格だけが絶対的ではないという発想が素敵です。パナソニックさんも左右対称が主流ですね。

とは言え、SONYも首からネック的にぶら下げるタイプの製品では、コードも左右対称です。まあ、首から下げるタイプで左右対称にする意味はないわけで当たり前の話です。しかし、もっともポピュラーでもっとも売れ筋である両耳からぶら下げるタイプは、相変わらず「左右非対称」です。

大の大人がたかがヘッドフォンでなにを、とお思いかもしれませんが、ほぼ毎日使うものだけに、自分に最もフィットする物を使いたいですね。付属ヘッドフォンばかりにこだわらずプラス2000円くらいグレードアップするだけでも、かなりの高音質を期待することができます。ちなみに貧乏性の私はあまり高級な製品を携帯すると緊張してしまうので、オーディオテクニカのATH-CKM50を愛用しています。最近、CKM55という後継製品が出たので、機会があれば試してみたいですね。

ところでヘッドフォン本体を含めたコードの色について、考えるところがあります。この「色問題」については機会を改めて。

戦地にもホールズワースフォロワーがいました!Faraz Anwar

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Musician●Faraz Anwar (guitar)
Title●Abstract Point of View(2000年)
■Amazon USAより購入

テクニカル系ギタリストの大御所、アラン・ホールズワースのフォロワーの紹介です(何度も、何度も申しわけありません)。御大の影響は全世界的に及んでいるようで、今回ご紹介するのはなんとパキスタン出身のギタリスト、Faraz Anwar。イスラムの国にウネウネサウンドとはこれいかに?という感じがしないわけではありませんが、これが結構侮れません。はじめはパキスタンでレコーディングされたようですが、のちにメタル系レーベルのLION MUSICから改めてリリースされています。

サウンド的にはホールズワースをハードテクニカルにした感じで、ドリーム・シアターを思わせるシンフォ系サウンドにホールズワース風超絶ギターが絡み合います。ところどころにオリエンタルなフレーズが出てくるので、「奇天烈なプレイヤーだな」という印象をもちましたが、パキスタン出身と判明して納得。何と一部のベースを除いてほとんどのパートを自分自身でこなしてしまうというスーパープレイヤーぶりです(そのベーシストも名前を見る限り同胞の人間のようです)。どうやら常に動乱の危機にさらされる同国にあって、呑気にメンバーを集めてレコーディングする環境になく、一人スタジオにこもって作り上げたというのが真相ではないでしょうか。

音の傾向としては先に触れたように、やたら変拍子を多用したシンフォ系プログレバンドに、若返ったアラン・ホールズワースがゲスト参加したという雰囲気。ソロの導入部での「いきなり感」やウネウネ度は本家をさらにパワーアップさせたような感じです。また、北欧メタルを思わせる疾走するリフはイングヴェイ・マルムスティーンあたりの影響も感じ取れます。その意味では、幅広くファンを獲得しそうな可能性を秘めているのではないでしょうか。
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●Musician
Faraz Anwar / all Instruments

●Numbers
1. Through the Passage of time
2. Maze
3. Prophet
4. Don't ever let your spirit Die
5. Last Summer
6. Why?

このアルバムのほかに「Dusk」というバンド名で「Jahilia」という作品も出ています。こちらはさらにメタル色が強い感じです。

Jahilia

2009年12月30日 (水)

iTunesでGarsed & Helmerichの幻の3rdをゲットしてみる

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Musician●Garsed & Helmerich
Title●Under the Lash of Gravity(1994年)
■iTunesより購入

独自のフィンガーピッキングによる超絶技巧で知られるBrett Garsedと両手タップの名手T.J.Helmerichのコンビは3枚のアルバムを残していますが、今回紹介するのは「幻の3rdアルバム」です。なぜ幻かというとどうやらファン向けの限定プレス(CD-R)だったようで、一般発売はされていないからのようです。したがって待てど暮らせど入手できるわけがなく、まれに出回るとしてもオークションでプレミア付きという状態。しかし、手に入らないと聞くと闘争心が掻き立てられるのが、奇天烈音楽士の悲しい性ですね。Cooee Spide Musicというところからリリースされています。ちょいちょい共演している爆裂ドラマーVirgil Donati がクレジットされています。

このコンビは「Quid Pro Quo」(1992年)、「Exempt」(1994年)とたて続きにアルバムを発表してきましたが、どちらかというとストレートなロックギターという感じでした。しかし、このアルバムは一転して作風が変わり、よく言えば実験的、悪く言えば気が抜けたようなダルな雰囲気に終始しています。まるでお経のようなボーカルに、宇宙的&退廃的なギターが絡み合いますが、だからどうしたのだ、という感じです。GarsedとHelmerichの区別もつきません。こういうのを「グランジ系」とか「オルタナティヴ系」とでも言うらしいのですが、個人的にはあまり食指が動きません。すみません。

無理して高価なCD-Rを追い求めるよりも、iTunesであっさり入手できますので興味のある方はぜひ。Amazon USAでもMP3ファイルの販売をしていますが、何かの契約上の関係なのか、日本からアクセスすると「貴殿がお住まいの国家ではDLできんのじゃ」という慇懃無礼なエラーメッセージが出ます。おそらく国内のCDメーカーを保護するための措置ではないかと思いますが、これだけネットが普及している世の中で、いまさら保護貿易もへったくれもないと思うのですが。

●Musicians
T.J. Helmerich (Guitar, Vocals, Production, Engineering, Mixing)
Brett Garsed (Lead Guitar, Acoustic Guitar, Slide Guitar, Fuzz Bass, Background Vocals)
Virgil Donati (Drums)
Black(Turntable)
Richie Gajate Garcia(Percussion)
Linda Moller (Background Vocals)

●Numbers
1. State Of The Art
2. Two
3. Everbe
4. Giant
5. Wake In Fright
6. King Of Neglect
7. Vicodin
8. Simon Says
9. Galactic Waterhole
10. Nemesis
11. Bad Luck Go Away

2009年12月29日 (火)

イタリア出身のホールズワースフォロワーNico Stufanoの1st

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Musician●Nico Stufano(guitar)
Title●Trace Of Jazz(1991年)
■Jazzos.comより購入

今回3度目の登場になるイタリア出身のホールズワースフォロワー、Nico Stufano(ニコ・スタッファノ)の1st「Trace Of Jazz」です。なぜ、このギタリストに気がついたかというと、ご多分に漏れずネット情報からで「とにかくクリソツ」という触れ込みから購入にいたりました。おお、確かにそっくりというかクリソツというか、まるで生き写しではないですか。トーンとしてはホールズワースの「IOU」の頃に近く、ギターの音色としては本家をややマイルドにした感じ。楽曲は本家よりも、退屈しないですむという感じでしょうか。しかしながら、本家直伝の「ウネウネフレーズ」は随所で聴くことができます。また、キーボード奏者がいるのでギターにかかる負担(?)は若干緩和されているのかもしれませんね。

Nico Stufanoは2002年に「Waiting for..」というセカンドを出していますが、こちらは本作品よりさらにマイルドにしたような感じです。お勧めという意味では、本作品のほうが面白味があります。

そんなわけで日本ではまったく無名であるNico Stufanoですが、当然のようにCD現物を入手するのは困難を極めます。以前まではイタリアのジャズ専門サイト「jazzos.com」でのみ入手可能でしたが、最近になって各ダウンロードサイトでも見かけるようになりました。ちなみにiTunesでもDL可能です。

●Musicians
Nico Stufano / guitar
Mimmo Campanale / drums
Paolo Romano / bass
Gino Palmisano / keyboards

●Numbers
1、Trace Of Jazz
2、Kiss Me Stupid !!
3、Il Piccolo Klaus
4、Sguardi E Contrasti
5、La Rabbia Esaudita
6、Penelope
7、Rough Distance Vrs.2
8、Voices
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2009年12月28日 (月)

DVD化は無理でしょうか?ホールズワースのライブビデオ

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Musician●Allan Holdsworth(guitar)
Title●Tokyo Dream Allan Holdsworth in Japan(1984年)
■HMVで購入(VHS)

テクニカル系ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)は1984年に初来日を果たしています。確か前年に「ギターマガジン」がホールズワースを大々的に取り上げ、さらにソロとしては3枚目にあたる「Road Games」がリリースされたタイミングだったと記憶しています。このV HSは1984年5月14日、郵便貯金ホールでのパフォーマンスを収録したものです。東映ビデオから発売。東映ということは高倉健や梅宮辰夫、松方弘樹などとレーベルメイトということになりますね。

幸運にもチケットを入手した私は、郵便貯金ホールの後方席で場内を観察していましたが、いかにも「ギター好き男たち」が占拠するなか、「ラウドネス」高崎晃氏を発見するなどの僥倖にも恵まれました。さて、御大が実に恥ずかしそうに登場すると、曲の展開がどうのこうのというよりも約2万もの瞳がステージに向 けられ、むくつけき男どもの熱視線がホールズワースの左手に注がれるという、一種異様な雰囲気になりました。確か「Road Games」の演奏が終わった後でしょうか、客席から「あんたは、うまい!」という掛け声がかかり、場内に笑い声が。当然日本語がわからない御大が小首を傾げたのを覚えています。もちろん、ここではカットされていますが。また、「Road Games」で高速両手タップがあるのですが、弦同士が共鳴しないようにPaul Williamsが御大のギターのネックをムンズと掴んでいたシーンもしっかり残されています。

それにしても、御大は非常にシャイでありうつむき加減にボソボソと話したり、緊張を和らげるためかアンプの上に缶ビールを置いて飲んだりと、「ハニカミおやじぶり」が実にキュートでした。曲としては「IOU」「Road Games」「Metal Fatigue」から満遍なく取り上げられていますが、発売元が音楽専門の会社ではないためか、「Letters of Marque」などは途中から始まるなど、「切った張った状態」のヤクザ編集。 さすが、東映。どうにかならんのかね、とは思いますが、初来日の模様が鑑賞できる唯一の素材だけに仕方がないですね。 この作品が海外で発売されたかは定かではありませんが、音源のみがCD化されたり、違法コピーのDVDがオークション市場でたまに流通しています。しか し、このVHSの定価は何と13800円。高いですね~。この作品に限らず当時のVHSはみんな高価で、気軽に買えませんでした。いまはこんな商売、絶対に成立しませんね。

●Musicians
Allan Holdswrth/ guitar
Paul Williams / vocal
Chad Wakkerman / drums
Jimmy Johnson / bass

●Numbers
1.Tokyo Dream
2.Road Games
3.White Line
4.Panic Station
5.Letters of Marque
6.Devil Take The Hind Most
7.Home
8.Material Real
9.Metal Fatigue
10.Wher e Is One
11.The Things You See
12.Was There ? (Something)
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2009年12月27日 (日)

Garsed & Helmerichのセカンド!

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Musician●Garsed & Helmerich(guitar)
Title●Exempt(1994年)
■Yahoo!オークションで購入

独自のフィンガーピッキング奏法で知られるBrett Garsed(ブレット・ガースド)と、かたやピックをまったく使わない両手タップの雄・T.J.Helmerich(ヘルメリッチ)という2大ギタリストによる第2弾「Exempt」です。1994年にシュラプネルレコードの兄弟レーベル、レガートレコードから発売されています。バックにはベースにゲイリー・ウィルス、ドラムにボビー・ロックという豪華な布陣です。

前作「Quid Pro Quo」でもなかなかのフュージョンサウンドを披露してくれた2人ですが、この作品で聴かれる音もその延長線上にあります。特に1曲目の「Horizon Dream」での2人のソロは妙に退廃的な美しさを内包しています。おもにヘルメリッチがソロを担当し、ガースドがフォローするという展開ですが、はじめ聴いたときはどっちが誰なのかはまるでわからないと思います。「これは誰」というように想像しながら聴いてみるのも面白いと思います。私はGarsedの教則ビデオを見て初めてわかりました。

しかしながら、このアルバムでの聴きどころは前半まで。後半はガースドが1曲、ヘルメリッチが2曲で、ボーカルをとっていて、ギタリストのアルバムを期待して購入した人間の興味を半減させてしまいます。それが2人ともけっこう歌が上手いのでかえって腹立たしく感じられてくる始末。曲自体も平凡なロックという感じで、特に特筆するべき点はありません。ボーカルなんかにウツツを抜かすなら、もっとフレーズを聴かせてくれよ、と感じたファンも多いのではないでしょうか?興ざめする後半部分はさておいても、前半部分だけでも聴く価値は大いにありです。

といろいろ書きましたが、版元の倒産のため全世界的に品薄なのが残念な限り。ごくたまにオークションなどで流通しますので、こまめにチェックすることをお勧めします。






●Musicians
Brett Garsed / guitar,vocal
T.J.Helmerich / guitar,vocal
Bobby Rock / drums
Gary Willis / bass
Paul Mirkovich / keys

●Numbers
1. Horizon Dream
2. Yerba Buena Bells
3. Miranda
4. Letters from Home
5. Then a Crow Came Out
6. Mr. Banacreas
7. Exempt
8. Lonely Guy
9. Loch Rannoch
10. Rikki Strange
11. Tomorrow
12. Carried Away
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2009年12月26日 (土)

日本のプログレの夜明け「四人囃子」のライブ盤

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Musician●四人囃子
Title●ライヴ・アルバム’73 四人囃子(1973年)
■ディスクユニオンで購入

今回も日本のプログレです。「四人囃子」は1970年代にデビューしましたが、なんとメンバー全員が10代という若さにもかかわらず当時としては驚異的なテクニックと楽曲の高い完成度で注目を集めていました。いちおうプログレとジャンル分けしましたが、狭いジャンルにとどまらない活躍ぶりで日本のロックシーンをリードしてきました。

今回ご紹介するアルバムは、1973年の8月、六本木の俳優座で彼らが行ったライブを収録したものです。2001年にライブ・アーカイヴが発売されるまで、彼らのライブ音源に触れることができる唯一のアルバムでした。ライナーによれば、東宝レコードの編成会議の資料用として録音されたもので、オリジナルはメンバーの了解も得ないで1978年に突如発売されたとか。森園氏を始め、メンバーはかなり悔しい思いをしたそうですが、結果として我々は貴重な音源に触れることができるわけです。

2001年には廃盤状態だった音源がリマスターされて音質も格段に向上したばかりでなく、これまで未収録だった「泳ぐなネッシー」が追加されて再発売されました。驚くべきはメンバーの当時の年齢が19歳だったという事実です。弱冠19歳にして、これだけの作曲能力と完成されたパフォーマンスを見せたバンドは、後にも先にも四人囃子だけでしょう。オープニングの「おまつり」で幻想的な世界を聴かせてくれたと思ったら、続く「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」でのプログレ的アプローチに転じる展開はいま聴き直しても驚くほどです。

いま考えれば演奏技術や録音レベルなど、未熟な部分もさすがに目立ちますが、30年以上も前にこんな優れた音楽集団が日本に存在したこと自体が驚きです。

●Musicians
森園勝敏 / guitar,vocal
中村真一 / bass
岡井大二 / drums
坂下秀実 / keyboard

●Numbers
1.おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)
2.空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
3.中村君の作った曲
4.泳ぐなネッシー
5. 一触即発
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2009年12月25日 (金)

日本を代表するプログレバンド「美狂乱」、記念すべきデビュー作

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Musician●美狂乱
Title●美狂乱(1982年)
■ディスクユニオンで購入

たまには日本のプログレのご紹介も。静岡出身のプログレバンド「美狂乱」の記念すべき第1作です。

「美狂乱」はこの作品でメジャーデビューを果たすまでは地元静岡で「まどろみ」というバン名でキングクリムゾンのコピーバンドをやっていたことは有名ですが(「まどろみ時代の唯一の音源は「ライヴVol.4」で聴くことができます)、コピーバンドとして腕を磨きながらまさに満を持して送り出したのが、この作品です。メンバーは須磨邦雄(ギター、ヴォーカル)、長沢正昭(ドラム)に、「まどろみ」時代のベース、吉永信二が脱退して新たに白鳥正英が加入しています。

クリムゾンのコピーバンドをやっていただけに、ここで聴かれる世界は確かによく似ています。特に須磨邦雄のギターは本家フリップ卿のプレイとほとんど同じといっても過言ではないでしょう。ただ惜しいのが楽曲そのものはどうしても「本家」を意識してしまうあまり、どれも中途半端な出来であるという点。須磨氏のヴォーカルの弱さも気になります。聴けば、レコーディング自体はリハーサルを含めてわずか10日間という強行軍であったということ。いささか消化不良でフラストレーションを感じさせるのは残念ですが、彼らの高い音楽性は随所で聴くことができます。ここで得られた彼らの貴重な経験は、次作「パララックス」で見事に昇華することになるのです。ただ、このまるで家内制手工業のような味わいも個人的には大好きです。

そもそも日本では「隠花植物的な扱い」に甘んじているプログレですが、日本人のプログレとなるとなおさらです。「四人囃子」とならんでそんな苦境(?)を乗り越えてきた彼らのデビュー作に注目していただきたいと思います。


●Musicians
須磨邦雄 / guitar,vocal
白鳥正英 / bass
長沢正昭 / drums
GUEST
中西俊博 / violin
中島優貴 / keyboard

●Numbers
1.二重人格
2.シンシア
3.狂パートII
4.ひとりごと
5.警告
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2009年12月24日 (木)

PLAYERS / PLAYERS(1987年)

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Musician●Players
Title●Players(1987年)
■ディスクユニオンで購入

テクニカル系ギタリストの大御所、Scott Henderson(スコット・ヘンダーソン)が参加した幻のユニット「Players」の唯一のアルバムです。1987年、Passportレコードからリリース。いまでこそ大御所扱いのヘンダーソンですが、もともとのプレス数が少ないうえに版元が倒産してしまい、いまや世界的に珍盤扱いになっています。私は幸運にもリアルタイムに購入できました。少しばかり早めに生まれたオヤジであることのメリットというやつですね。参加メンバーは、Scott Henderson(g)、Jeff Berlin(b)、T Lavitz(Key)、Steve Smith(d)といういまやトップクラスのツワモノばかり。

このアルバムを購入したのは実はヘンダーソン狙いではなく、アラン・ホールズワースの「Road Games」やBrufordなどで超絶ベースを披露していたJeff Berlin目当てでした。レーベルの目論見としては若手スターを一堂に集めることで一大ヒットを狙ったのでしょうが、一部で話題になったものの見事にはずしてしまいました。

とはいっても曲の内容は素晴らしく、オープニングの「Crystal」から始まりラストの「20,000 Prayers」に至るまでノンストップで凄まじいばかりの好プレイが聴かれます。ヘンダーソンはソロアルバムほど「切れまくって」はいませんが、随所に超絶技巧を披露してくれています。そういえば「20,000 Prayers」はJeff Berlinの曲で彼のソロアルバムに、ヘンダーソンが参加していましたね。

そんなわけでとても素晴らしい作品でお勧めしたいのですが、冒頭で触れたように世界的に廃盤なのが残念です。気長に中古屋巡りをするしか方法がないようです。どこか良心的なメーカーが復刻してくれないでしょうか。

●Musicians
Jeff Berlin / bass
T.Lavitz / keyboard
Steve Smith / drums
Scott Henderson / guitar

●Numbers
1.Crystal
2.Valentine
3.50 / 50
4.Vehicle
5.Freight Train Shuffle
6.Between Coming And Going
7.The Creeping Terror
8.20.000 Prayers
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2009年12月23日 (水)

SOMA / SAME(1986年)

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Musician●Soma
Title●Soma(1986年)
■Yahoo!オークションで購入

「奇天烈系音楽」を追い求めていくと、とんでもない珍盤に突き当たるときがあります。病膏肓に入るといいますが、客観的に考えるととるに足らないことなのですが、その筋に没頭してしまうと自分を見失ってしまうことがあります。たとえば「激レアモノ」などの煽り文句は、思考力を停止させるに十分な破壊力を持っています。これが「世界的な珍盤」となると話はさらにややこしくなります。

ここで紹介する正体不明のフュージョンユニット「Soma」が1986年に発表したアルバムもそんな1枚です。売りとしてはアナログもCDも極端にプレス数が少ないこと、そしてアラン・ホールズワースが参加していることで、マニア筋から異常なまでの熱視線を集めている作品です。

ユニットの固定メンバーはDavid Shawn(ギター)、Mark Lauren(キーボード,ボーカル)、Guy Eckstine(ドラム、パーカション)というおそらく日本ではまったく無名に近いメンバー。しかし、ゲストミュージシャンの豪華さは特筆ものです。 Gregg Lee(ベース)、Nathan East(ベース)、そしてギターにアラン・ホールズワースが参加しています。

楽曲自体は典型的な80年代アメリカンフュージョンサウンドという感じで、全曲に一貫する底抜けの明るさからは、深みや味わいというものはほとんど感じられません。したがって放っておけば「B級フュージョンユニット」で片づけられてしまいますが、そうもいかないのが言うまでもなくAllan Holdsworthが存在している点です。ホールズワースは自身の作品よりもゲスト参加した場合のほうが持ち味を発揮できるという特異体質をもっていますが、ここで十八番のウネウネフレーズをこれでもか!という感じで披露しています。86年というと時期的には「メタル・ファティーグ」発表後ということで、ホールズワースにとって一番脂が乗りきっているころ。安っぽいメジャーサウンドの中にホールズワースによる変態フレーズが絡み合うという、奇怪な作品に仕上がっています。ホールズワースは今のような独尊的なプレイではなく、メンバーの呼吸を感じながらも素晴らしいソロを聴かせてくれています。

さて、そんなわけで普通のルートではまず入手不可能な作品なので、入手するにはほとんどがオークションに頼ることになります。ところが最低落札金額が5万円という「法外な値段」が付いていることが珍しくありません。私は運よく「レプリカ」、つまりはコピーで入手できました。2000円くらいだったと思います。しかし、5万も払ってまで入手するべき名盤なのかというと、いささか疑問です。気長にレプリカの流出を待っていたほうがいいように思えるのですが。

私がもっているのはレプリカで、ご丁寧にライナーのカラーコピーも付いてきました。出品者さま、ありがとうございます。

●Musicians
David Shawn / guitar
Scott Gerber / bass
Grgg Lee / bass
Mark Lauren / vo,kb,per
Guy Eckstine / drums,per,cho
Allan Holdsworth / guitar
Kozo Yasuda / guitar
Nathan East / bass
David Koz / sax
Patrick O'Hearn / string bass
Bob Sobo / guitar
Pops Popwell / bass
Scott Ritchards / bass
Victor Bailey / bass,cho
Walt Fowler / trumpets,flugelhornsChristpher Hoard / scissors) &others(se)
Francie Popick / toastmaster
Scott Gerber / bass

●Numbers
1.Death Comes Dancing
2.No Better Time Than Now
3.Foray
4.Harmattan
5.Tripped Over Your Shadow
6.Because Always Comes The Moment
7.Sense Of History
8.Purfled And Eyethurled
9.A Little Hair Action
10.Lone Narcissus
11.Mangia
12.The Grand Panjandrum
13.Windburn
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ちなみにCDとアナログのジャケットデザインが異なります。いわるゆ「ジャケ違い」というやつですが、両方とも所有している人はいったいどんな人なんでしょうね(写真はアナログ盤のデザインです)。
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<追記>先日、何気なくiTunesを回遊していたらなんとDL可能なことを発見しました。1000円ちょっとで聴けるわけで、気になる人はぜひ!iTunesではアナログデザインでした。

2009年12月22日 (火)

調子に乗って「The Code」の3rdをDLしてみる

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Musician●The Code(John Pelosi-guitar)
Title●Mianca(2009年)
■iTunesより購入

三度、懲りずにカナダ産ホールズワース・フォロワーJohn Pelosiを擁する「The Code」の登場です。前作「Figli di Baia」が2000年リリースですから何と9年ぶりの新作ということになります。この手のミュージシャンは寡作であることは決して珍しいことではなく、Bill Connors などは19年ぶりの「新作」を出したことがあります。その間の生活費はどうなるのか、電気代やガス代は払えるのか、ケータイ代はどうなのよ、などの心配ごとは下衆の勘ぐりなのでしょう。かといって作品の性格から悠々自適の印税生活を送っているとは思えず、ギター講師などをして生計を立てるミュージシャンが多いと聞きます。そういえば、奇天烈系ギタリストの師匠、ホールズワースも機材を売り払って子どものミルク代にあてたというエピソードあります。

さて、3枚目にあたるこの作品は、Abstract Logix で今年の夏に売り出されていましたが、迂闊にもつい最近まで新作が出た事実すら知りませんでした。全世界にゴマンといる「The Code」ファンがこぞって買ってしまったのでしょう。残念ながら「売り切れ状態」。こういう手のアルバムが再入荷するとはとても思えず、切歯扼腕していました。しかし、先日何気なく「iTunes」を遊泳していたら、何のことはない普通にアップされているではないですか。最近のiTunesは侮れません。早速、ダウンロードしてみました。

肝心のサウンドはますますラテンテイストが強まり、気のせいかボーカルの比重も増しています。まるで往年のパット・メセニー・グループを聴くかのようです。とはいえ、ソロは相変わらずアームウネウネのエロティックソロを連発してくれているので、全国2万人のJohn Pelosiファンの方々、ご安心を。気になったのがバンド名が「The Code」から「The Code featuring John Pelosi」へと変わったことで、バンマスに昇格した彼はさしずめ鶴岡正義というテイストでしょう。ちなみにやたらと乗りがいい「Black Issac」という曲はファーストアルバム「The Code」 にも同名の曲がありますが、中身はまったく違います。同名曲で中身が違うなんて、奇天烈ですね。

●Musicians
John Pelosi / Guitar/Synth Guitar
Rick Fellini / Keys
Patrick Kilbride / Bass
Paul DeLong / Drums
Armando Borg / Percussion
Tony Padalino / Keys
Michael Ferfolia, Paul Christopher, Terry Hatty, Debbie Johnson / Vocals

●Numbers
1、You're The One
2、The Landing
3、New Ancients
4、Mianca
5、No Problem
6、Just Before Dreaming
7、Black Issac
8、Popicles

<追記①>いま気になってAbstract Logixをチェックしたら何とファーストからの3部作がアップされています。全国5万人のThe Codeファンの方々、いまがチャンスですよ!(違うか)

<追記②>ダウンロード主流の時代に乗り遅れがちというより、「現物入手主義」(?)の中年男の悲しい習性か、Abstract LozixにCDを発注。大晦日の日に到着しました。ちなみに請求額は約2050円。もちろん送料込みです。大きな声で言えませんが、私のような個人輸入人間にとっていまの状況はありがたい…
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2009年12月21日 (月)

アナログ盤で「Nico Stufano」を聴いてみた!

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Musician●JAZZERIE(Nico Stufano-guitar)
Title●Future Memories(1990年)
■Jazzos.comより購入

前回、イタリア出身のホールズワース・フォロワー、Nico Stufano(ニコ・スタッファノ)のソロアルバムを紹介しましたが、ソロデビュー以前ももちろん活動をしています。今回紹介するのは「Jazzerie」というカルテットによる「Future Memories」という作品。1990年にイタリア地場のSplasc(h) recordsというところからリリースされています。

ドラムのMimmo Campanaleさんの名前は聞いたことがありますが、他の人は勉強不足で存じ上げません。申しわけありません。イタリアンジャズというジャンルがあるかどうかは定かではありませんが、サウンド的には洒落た感じのストレートアヘッドなジャズ。Nico Stufanoも割と抑えめにプレイしていますが、時折、ウネウネアームでホールズワース・フォロワーとしての存在感を示しています。

まあ、Nico Stufanoが参加しているという理由で入手した作品ですが、彼がいなければ買わなかったかも。ちょこっと洒落気味の喫茶店というよりカフェのBGMとしてはいいかもしれません。邪魔にはならないけど、「おやっ」と聞き耳を立てるというほどではないという意味です。往年のジャズ喫茶であるまいし、カフェであまり刺激的な音楽はかかりませんしね。

ちなみにアナログ盤はSonyのステレオレコードプレーヤー『PS-LX300USB』 でデジタル変換して、iPodへ転送しています。アナログ特有の中低音部の豊かさは懐かしい感じです。それでも音は「それなり」です。値段から判断していただければと思います。多くを望んではいけません。

●Musicians
Robert Ottaviano / Soprano sax
Nico Stufano / guitar
Maurizio Quintavalle / bass
Mimmo Campanale / drums

●Numbers
1. Much Ado About Nothing
2. Giza
3. Girasoli
4. The Dust
5. Effetti Personali
6. Rough Distance
7. Clarence
8. Future Memories
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2009年12月20日 (日)

ホールズワース系「The Code」の1st!

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Musician●The Code(John Pelosi-guitar)
Title●The Code(1995年)
■Crazy-diamond Recordsより購入

以前、ここでご紹介したカナダ出身のテクニカル系ギタリストJohn Pelosi(ジョン・ペロージ)が率いる「The Code」のファーストです。セカンド「Figli Di Baia」ではホールズワース+ヘンダーソン系の変態ギターとシンフォとの程よいバランスが実に心地良いフュージョンサウンドを聴かせてくれました。この記念すべきファーストはセカンドよりもシンフォ率が高く、その意味では若干「チック・コリア・エレクトリックバンド」に通じる雰囲気も漂います。前回ではJohn Pelosiはどうやらイタリア人っぽいと書きましたが、両親がイタリア出身でカナダへ移住したようです。

John Pelosiはこのファーストにしてすでに完成型の域に近づいており、テクニカル系ギター好きにはぜひお聴きいただきたい好演です。例の極端にアームを利かせたエロティック&ウネウネ系ソロは悶絶必至です。と書きつつ、大変に入手困難なのが難点でCrazy-diamond Records.com で入手可能な時期もありましたが、現在は残念ながら品切れ中。気長に探していくしかないのでしょうか。

●Musicians
John Pelosi / guitar, guitarsynthesizer
Richard Evans / keyboards
Patrick Kilbride / bass
Paul DeLong / drums

●Numbers
1、Black Jujube
2、Control Drama
3、Song For Bumbi
4、In 2 Blu
5、Clones
6、Wall Ball
7、White Out
8、Mono Brow
9、Changes
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2009年12月19日 (土)

日本が誇るシンフォ系プログレバンド「Mongol」

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Musician●Mongol
Title●Doppler444(1997年)
■Amazonより購入

たまには日本のプログレにも目を向けましょう。と言っても「四人囃子」「美狂乱」あたりにストレートにいかないところが、奇天烈音楽士のひねくれたところです。今回、紹介するのは知る人ぞ知るというカルト的人気を誇る(?)プログレバンド「Mongol」の唯一のアルバムです。間違っても「モンゴル800」ではありません。ライナーノーツによればバンドが結成されたのが1970年代後半とかなり古く、その意味ではかなりのベテランです。色々な紆余曲折を経てこの「Doppler444」が完成したわけですが、制作期間はなんと8年。1988年からスタートして96年に完成したと言われています。商業ベースを優先させると絶対に世に出ることはない作品かも知れません。制作工程からして奇天烈すぎます。

音のほうはというと結成時からリーダーの安本毅(key)が紡ぎ出すシンフォニックなサウンドに、アラン・ホールズワースとも親交が深いと言われる三苫裕文(G)(元「NOA」)の超絶プレイが絡むというもの。変拍子の多用、目まぐるしく変化する展開、そしてインタープレイの応酬、と聴きどころ満載のアルバムです。特にオープニングの「From The Beyond~Dopplre444」で聴かれるダイナミックなシンフォサウンドから一転して、三苫氏のギターが転調に次ぐ転調で切り込んでくるスリリングな展開は、見事としか形容できません。世界で勝負しても十分太刀打ちできる力量はあるのですが、いかんせん2作目が続かない経歴も奇天烈ですね。

個人的な話題で恐縮ですが、いまから20数年前、愚弟が某大学の音楽サークルに入部したところ、ギターの三苫裕文氏が先輩として君臨していたそうで、すでに学生時代から「ホールズワースフォロワー」として好事家たちの熱い視線を集めていたとか。確か自主製作盤を1枚出していますが、いまとなっては入手不可能。1度聴きましたがとても大学生とは思えない完成されたテクニックに仰天した記憶があります。せめて録音するべきでしたね。三苫氏は「UKトリビュート」「エディ・ジョブソン・トリビュート」などプログレ系のイベントでいまでも活躍中のようです。

バンド名、アルバムタイトル、ジャケットとも何だか脱力感が漂っていますが、中身は職人たちのガチンコ勝負!文句無しにお勧めしたい1作です。


●Musicians
安本毅 / Piano,keybord
三苫裕文 / Guitars,Synkorg
天崎直人 / Bass
今井澄 /Drums,Percussion

●Numbers
1.From The Beyond~Dopplre444 
2.Garadama 
3.Hormwards 
4.Driller 
5.Merazoma
6.Greatful Paradise
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2009年12月18日 (金)

新感覚の高速アルペジオ、Ben Monder

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Musician●Ben Monder(guitar)
Title●Flux(1995年)
■ディスクユニオンで購入

いまやNYの先鋭的ジャズシーンで超売れっ子のセッションギタリスト、Ben Monder(ベン・モンダー)のソロアルバム第1弾です。1995年にレコーディングされなぜかカナダでリリースされています。

いまでこそ「NEW TALENTレーベル」の主要作品で引っ張りだこの活躍ぶりを見せるベン・モンダーですが、このデビューの時点ですでに大変個性的なプレイを披露しています。彼のプレイの特徴は何といっても、あまりにも速くて個性的な「アルペジオ」。ほぼ全曲にわたってその高速アルペジオが支配し、聴く者を妙なトランス状態へと追い込みます。浮遊感あふれるという点ではビル・フリゼールと共通していますが、頑固にアルペジオで押し通す彼のプレイは誰の追随を許しません。といいいますか、誰も真似しないと思います。メンバーはあのJim Black(dr)とDrew Gress(b)というトリオ構成。

このアルバムでもソロらしいソロはわずか1曲のみで聴くことができますが、かなり暴力的で激しいものです。全体を覆い尽くす静寂な世界に、ただ1回だけいきなり割り込んでくる暴君のようなバイオレンスソロは、かなり異様な世界を現出させています。よく聴いてみるとあのロバート・フリップ卿のソロに似ているように思えます。いずれにしろ、この超個性派プレイヤーの今後は見逃すことはできません。

彼本人の名義でリリースされた作品はこれまでにたった4作。ほかはほとんどセッション活動という特異な存在です。2009年もすでに4作に名を残しています。アメリカ人でありながら内省的なプレイスタイルは、これからヨーロッパのジャズシーンからも受け入れられる可能性があるような、ないような。日本では、間違いなく無理でしょうね。これだけは確信をもって断言できる奇天烈系ギタリストです。

●Musicians
Jim Black-drums
Drew Gress-bass
Ben Monder-guitar

●Numbers
1.Muvseevum
2.Flux
3.Food for the Moon
4.Red Shifts
5.Jello Throne
6.Don't Look Down   
7.Orbits
8.O.K. Chorale
9.Lactophobia
10.Propane Dream
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2009年12月17日 (木)

テンション低めの売れっ子ギタリストKrister Jonsson

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Musician●Krister Jonsson(guitar)
Title●I'll Stay Out Here And Talk To Harry(1999年)
■メーカーサイトより購入

スウェーデン出身の新進気鋭のギタリストKrister Jonsson(クライスター・ヨンソン)によるおそらく最初のソロアルバムです。1999年発売。調べてみると、ジャズからロックと幅広く活躍しているようで、ジャズだとCennet Jonsson (sax)やFredrik Lundin(sax)などの北欧ジャズ畑のミュージシャンの作品にクレジットを連ね、ロック系だとシンフォ系プログレの「Karmakanic」「The Tangent」などにメンバーとして加わっています。売れっ子と言えば売れっ子なのですが、やはり売れ方が大変地味。その意味ではNYの先鋭的ジャズシーンでは超売れっ子ギタリストBen Monderに似ているかもしれませんね。Ben Monderもあれだけ働いていながら、日本での知名度はほとんどないに等しいのですから。「Karmakanic」「The Tangent」も一応は聴きましたが、こちらもやはり「知る人ぞ知る」という存在。どこまで行ってもとことん地味です(ファンの方、ごめんなさい)。

今回、紹介する作品は、トリオというたいへんシンプルな構成で、Krister Jonsson(g)のほかPeter Danemo(ds)、Mattias Svensson(b)というミュージシャンがクレジットに。Peter Danemoはレーベルメイトということで名前だけは知っています。サウンド的にはBill Frisell(ビル・フリゼール)あたりに見られる浮遊感で勝負する(?)タイプ。ほとんどがウネウネととらえどころのないフレーズに終始し、一聴すると退屈してしまいそうです。それでいて何度か聴いていると、妙に記憶にこびりつく「あと引くスルメ烏賊サウンド」にやられていきます。どなたかが「低温やけどサウンド」と評していましたが、まさに言い得て妙、ですね。あくまでもテンションは低く、それでいて3年後にはすっかり籠絡してしまうという「3年殺しギタリスト」とでも命名します。

●Musicians
Krister Jonsson / guitar
Mattias Svensson / bass
Peter Danemo / drums

●Numbers
1.away
2.rubber
3.cymbolic
4.elorrio 06:05
nine short pieces, section one
5.*I
6.*II
7.*III
8.hushmeggah
9.summerhouse
10.the hare
nine short pieces, section two
11.*V
12.*VI
13.*VII
14.harry
nine short pieces, section three
15.*VIII
16.*IX
17.*IV
18.self
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2009年12月16日 (水)

ホールズワース、ヘンダーソンが好きな方にオススメ!Richard Hallebeek

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Musician●Richard Hallebeek(guitar)
Title●Richard Hallebeek Project(2004年)
■メーカーサイト(LNR)より購入

今回ご紹介するのは、オランダ出身のテクニカル系ギタリストRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)によるソロアルバムです。2004年発表。特別ゲストとして、Shawn LaneBrett Garsedという2大変態ギタリストが招かれています。ちなみにShawn Laneはこのアルバムに参加した後の2003年9月に40歳という若さで亡くなってしまいましたので、実質的にラスト・レコーディングということになります。言うまでもなく、Hallebeekは自他ともに認める「ホールズワースフリーク」です。

Richard Hallebeekは日本ではまだまだ無名の存在ですが、以前、マーク・ヴァーニィー・プロジェクト(MVP)シリーズで、フィンランド出身のテクニカル系ギタリストAntti Kotikoskiと組んで発表された「Generator」(1995年)というアルバムで一部のギターファンに注目された若手ギタリスト。この「Generator」でもアラン・ホールズワースとスコット・ヘンダーソンを足して2で割ったような超絶技巧を披露していましたが、このソロアルバムでも凄絶なギターソロを聴くことができます。

全体のテイストとしてはプログレッシヴ・フュージョンという感じで、すべての曲が実に怪しい変態性にあふれています。Richard Hallebeekはギターのほかにギターシンセ、キーボードなどを担当していますが、この作品の変態性をより高めているのが、なんと言ってもShawn LaneとBrett Garsedの存在。Shawn Laneは4曲、Brett Garsedも4曲に参加していますが、Richard Hallebeekのソロパートに加えて、3者が凄まじい変態性をいかんなく発揮していますので、ギターファンには堪らないところです、と書きたいところですが、ガースドは相変わらずですが、ショーンは死を前にして何だか悟りきってしまったようです。多分、彼自身が愛するインダス川の向こうに見える黄泉の淵が見えていたのでしょう。

とは言え、テクニカル系ギタリストの屋台骨を背負って立つべき逸材であることは間違いありません。ホールズワースやヘンダーソンなどのテクニカル系ギタリストをこよなく愛する人、そしてShawn LaneとBrett Garsedが好きな人には自信をもってお勧めしたい傑作です。ちなみにレーベルメイトLalle Larsson(key)が参加しています。もっとHallebeekを聴きたい人は、エスニック系ドラマーRene Engelや同国出身のドラマー、Sebastiaan Cornelissenなどの作品でも聴くことができます。

●Musicians
Richard Hallebeek / guitars
Shawn Lane / guitars
Brett Garsed / guitars
Bas Cornelissen / drums
Lalle Larsson / keyboards
Udo Pannekeet / bass

●Numbers
1.  Prescription Strength
2.  Lined Out
3.  Canoga Park
4.  Good Food
5.  Free
6.  Axe
7.  Enigma
8.  Orange Faces Everywhere
9.  Imagine

ちなみにCDとともにサイン入りのスコアも送られてきました。
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2009年12月15日 (火)

Garsed & Helmerichの1st!

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Musician●Garsed & Helmerich(guitar)
Title●Quid Pro Quo (1992年)
■Gemm.comより購入

オーストラリア出身の超絶ギタリスト、Brett Garsed(ブレット・ガースド)と両手タッピングの奇才・T.J Helmerich(TJヘルメリッチ)による共同作品3作のうち記念すべき第1作。1992年にテクニカル系ギタリストの登竜門的存在のシュラプネルレコードが作った兄弟会社・レガートレコードから発売されています。レガートレコードが倒産してしまったので、現在では全世界的に入手困難というのが残念です。

ブレット・ガースドとTJヘルメリッチという2人の奇才がコンビを組むことによってどんなサウンドが出来上がるのかと、聴く前からドキドキしてしまいますが、全体を通してみるとそこで展開されているのは、比較的ストレートなロックです。それでも2人が繰り出すフレーズは大変個性的というか、俗に言う「変態フレーズ」の嵐。これでもか!と繰り出される捻じ曲がったフレーズも数々は、好事家にとってはまさに大好物となることは間違いありません。2人は右と左のチャンネルで弾き分けていますが、どっちが誰かは聴いてからのお楽しみです。とくにオープニングの「Subway」はとにかく格好いいです! メンバーをみるといまやスコット・ヘンダーソンと双頭バンドを組むGary WillisやNelson時代からの盟友Bobby Rockの名前が発見できます。

しかし、あえて難点を指摘すると、後半になると2人がそれぞれヴォーカルをとり、それがまたキャラに似合わず大変ポップな仕上がりであるという点。しかも2人ともハイトーンボイスで結構歌唱力があったりするので困ります。よほどでないかぎり、この2人のヴォーカルを聴きたい人なんていないはず。そんな余裕があるのであれば、もっとギター聴かせてくれよ!と感じた人も少なくないのではないでしょうか。

この2人はほかにも「Exempt」(1994年)というアルバムのほか、ファン限定に発売されたCD-R「Under the Lash of Gravity」という作品があります。どちらも入手困難ですが、後者のほうは現在iTunesでダウンロード可能です。興味のある人はいますぐチェック!




●Musicians
Brett Garsed /guitar, vocal
T.J. Helmerich /guitar, vocal
Gary Willis /bass
Paul Mirkovich / keyboards
Bobby Rock /drums
Dan Wile / Percussion

●Numbers
1. Subway
2. Megan
3. Cherokee
4. Dirty Work
5. Destined to Die Jesting
6. Musical Oasis Awaits Us
7. Mirage
8. So Hard to Say
9. Punch Line
10. You're the Bossa
11. Quid Pro Quo
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2009年12月14日 (月)

オーストリア出身のホールズワースフォロワーAlex Machacek

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Musician●Alex Machacek(guitar)
Title●Featuring Ourselves(1999年)
■Abstract Logixより購入

オーストリアにも「ホールズワースフォロワー」がいました。この近年、進境著しいAlex Machacek(アレックス・マクヘイサク)です。 Machacekのファミリーネームは「マカチェク」「マクヘイツァク」とも呼ばれていますが、いかんせんマイナーな存在だけに正確な発音はいまだにわかりません。申しわけありません。年齢的には1972年生まれということでホールズワースフォロワー第2世代ということになるでしょうか。

音としては期待通りにホールズワース+ヘンダーソンという感じですが、どなたかの見解として元祖変態ギタリスト、フランク・ザッパ的な要素がブレンドされてさらに煮しめたようなイメージといったら伝わるでしょうか。いや、よくわかりませんね。まず、1曲目の「Gnade」は懐かしやBrufordをさらに複雑怪奇にした楽曲。ブタの鳴き声から始まるくすぐりも絶妙。タイトなリズムに乗って暴れまくるマクヘイサクの変幻自在なプレイが光ります。2曲目の「Liebe, Jaz und Ubermut」はホールズワースフォロワーの真骨頂たるナンバー。流麗なレガート奏法に身を任せて聴いていると軽く桃源郷に導かれるような素敵なナンバーです。

というわけで、どこをとってもホールズワース好きにとっては堪らない魅力が満載のマクヘイサク。その後、テリー・ボジオとの共演など、結構その筋では王道を歩んでいるように思えます。年齢的にもこれからの成長力に期待です。ところで例によって自主製作的に作られたこのアルバムは全世界的に品薄という状態です。Abstract Logixが所属レーベルということもあっていまでも入手可能(CD-Rですが)。すぐ聴きたい方はダウンロード販売もあります。また、動くマクヘイサクを観たい方はテリー・ボジオとの共演ライブDVD「Out Trio」がお勧めです。


●Musicians
Alex Machacek / guitar
Tibor Koevesdi / bass,keyboard
Flip Philipp / mallets,per
Harri Ganglberger / drums
guests:
Fritz Kircher / violin on#2
Gerswind Olthoff / viola on#2
Arne Kircher / cello on#2
Toni Muhlhofer / per on#03
Stefan Maass / per on#10

●Numbers
1.Gnade
2.Liebe, Jaz Und Ubermut
3.Zapzarapp
4.Jazzquiz - Hard Version
5.Donna Lee - Easy Viennese Teenage Version
6.Intro 2 7
7.Allandig
8.Banderriss
9.Art-Subvention 97
10.... In The Sky
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2009年12月13日 (日)

John ColtraneのLive in Japan

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Musician●JohnColtrane(ts.as.ss.bcl.perc.)
Title●Live in Japan(1966年)
■HMVで購入

ジョン・コルトレーンを奇天烈系に分類することには、少しばかり躊躇しますが、1965年以降に急激にフリーへ傾倒した後期コルトレーンは、間違いなく「奇天烈音源の宝庫」です。

今回紹介するのは、そんな末期コルトレーンによる最初で最後の日本公演の模様を収録したライブ盤です。D4枚という圧倒的なボリュームで、DISC1と2が1966年7月11日、新宿厚生年金会館、DISC3と4が1966年7月22日、サンケイホールでのパフォーマンスを収めたものです。元は日本のラジオ番組のために録音されたもので、全編モノラル録音。以前はDISC1と2、DISC3と4が別々に発売されていましたが、リニューアルに伴い4枚組に。メンバーはファラオ・サンダース(アルト&テナーサックス)、アリス・コルトレーン(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、ラシッド・アリ(ドラム)という後期フォーマット。ちなみにCD3・4のMCはあの「団しん也さん」が務めているそうですが、手持ちのライナーではよくわかりません。

何よりも全6曲、全収録時間247分という圧倒的な時間数を通して聴くには、かなりの体力と気力が必要です。もちろん時間的な長さだけの問題ではありません。1年後の早逝を予期したかのようにふり絞るような「魂の叫び」を前にして、ただ呆然としながらも何とか聴き入るためには相応の覚悟が必要なのです。したがって、コルトレーン初心者にはとてもお勧めできません。でも、コルトレーンにどっぷりとハマッテしまっている人にとっては、必携のアイテムであることは間違いありません。

なによりもCD4枚という圧倒的なボリュームに耐える気力・体力がないとかなり辛い思いをするこの作品。廃盤扱いになってしまうのも仕方がないのですが、せめて2枚ずつに分割して再発売してくれないでしょうか。頼みます、メーカーさん。

<追記>先日、渋谷の黄色い外面塗装で有名なCD屋に行ったら普通に置いてありました。7000円くらいでした。


●Musicians
John Coltrane /  ts.as.ss.bcl.perc.
Pharoah Sanders / ts.as.Ss.bcl.perc.
Alice Coltrane / piano
Jimmy Garrison / bass
Rashied Ali / drums

●Numbers
Disc1(65:12)
1.Afro Blue
2.Peace On Earth

Disc2(54:33)
3.Crescent Coltrane

Disc3(69:55)
4.Peace On Earth
5.Leo

Disc4(57:21)
6.My Favorite Things
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2009年12月12日 (土)

元祖「ホールズワースフォロワー」Bill Connors

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Musician●Bill Connors(guitar)
Title●Step It(1984年)
■タワーレコードで購入

かつて第2期リターン・トゥ・フォーエバー(RTF)で衝撃のデビューを飾り、その後ECMに移籍してからヤン・ガルバレクなどとの共演で一転内省的なサウンドを聴かせてくれたBill Connors(ビル・コナーズ)をご紹介します。

ECMには確か1979年ごろまで在籍していたと思いますが、この奇天烈ギタリストは忽然と姿を消します。で、1984年にいきなり発表したこの「Step It」は当時一部で熱狂的支持を集めていたアラン・ホールズワースライクのアルバムをリリースして私を驚かせました。

トリオ編成、シャーペルのストラト、トレモロアームの多用、上昇下降フレーズの多用、キーボードライクなヴォイシング…あまりにもホールズワースとの共通項が多く、亜流ではないかと揶揄する向きもありました。もちろんかなり意識していることは間違いないのですが、フレーズの随所にはコナーズらしい、RTF時代から得意としていた若干引っかかりのあるエッジなサウンドが見え隠れします。ギターをいじくった経験がある人はその辺りの「違い」がわかると思います。

特にラストの「Flickering Lights」でのソロはあまりにも美しい!RTF時代に培ったものにECM時代に身につけた叙情性を加味した音は完全に彼オリジナルのものです。どちらにしても正々堂々と「ホールズワースフォロワー」を宣言したどころか、作品にして発表したのは、このビル・コナーズが初めてであることは間違いないと思います。この作品を聴いてそれまでくすぶっていた多くのギタリスト達が「なんだ、これもありなのね」と勇気づけられたことは容易に想像できます。

●Musicians
Bill Connors / guitar
Steve Khan / guitar
Tom Kennedy / bass
Dave Weckl / drums

●Numbers
1.Lydia
2.Pedal
3.Step It
4.Cookies
5.Brody
6.Twinkle
7.Titan
8.Flickering Lights
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2009年12月11日 (金)

(ホールズワース+ヘンダーソン)÷2=The Code!?

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Musician●The Code(John Pelosi-guitar)
Title●Figli di Baia(2000年)
■audiophileimportsより購入

カナダ出身のテクニカル系ギタリストJohn Pelosi(ジョン・ペロージ)が率いるグループ「The Code」のセカンドアルバムです。このJohn Pelosiは写真をみる限りはイタリア人のように思えます。おそらくカナダに移民してきたイタリア人ということなのでしょう。

例によって情報がほとんどないのですが、どうやら自主製作盤であるこのアルバム。曲調としてはスコット・ヘンダーソン率いる「Tribal Tech」「IOU」あたりのアラン・ホールズワースにかなり似ています。ギタープレイは流麗なレガート奏法に加えて、アームを多用していますが、その音色は妙な色気を漂わせています。ただものではありません。

前出の先輩格と違うのが、このJohn Pelosiはギターシンセを扱うこと。ギターとのバランスを考えつつ実に効果的に使われています。こう書くとシンフォ系好きの人も飛びつきそうですが、基本はギター中心のテクニカル系フュージョンですから念のため。また、パーカッション奏者がやたらといるため、打楽器がもたらすポリリズムが実に心地良く、ときおり入るラテン系のボーカルも相まって、パット・メセニーあたりの爽快感も味わうことができます。実に良質なフュージョンサウンドです。ちなみにiTunesからDL可能です。

●Musicians
John Pelosi / E guitar, guitarsynths
Richard Evans / keyboards
Patrick Kilbride / bass
Paul DeLong / drums
Paul Christopher Caldeira / vocals & percussion
Armando Borg / percussion

Guest Musicians

Marco Luciani / synth solo (5)
Rick Fellini / keys (7)

●Numbers
1.Intro
2.Fake Paradise
3.As If
4.A Word From Ben (Le parole di Benito)
5.Explaining Naples (per Tomasso)
6.Invisible Cities
7.Corner Pocket
8.Enable This
9.Maria's Grace (La Grazia di Maria)
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2009年12月10日 (木)

変態系&テクニカル系ギタリストGeoffrey McCabeの幻の作品

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Musician●Geoffrey McCabe(guitar)
Title●Fractal Architecture(1992年)
■Gemm.comより購入

「モントルー・ジャズ・フェス'87」で注目を集めた理論派&変態系アメリカ人ギタリスト、Geoffrey McCabe(ジェフリー・マッケイブ)による1992年の作品です。メンバーは Richad Martinez、Wietn Wito、Tom Brechtlienです。彼自身が書いたライナーによれば、ファースト「Teseract Complicity」と本作品、そして「カートゥーンズ・アンド・アザー・ヒエログリフス」から構成される3部作のセカンドということになっていて、3作を通したテーマは「3次元のリアリティーを超えたものの存在を認識し、理解する」ということだそうです。まるで意味が理解できませんが、いずれにいろ屈指の理論派ギタリストであることは間違いありません。

サウンドはスタジオワークを駆使した凝りに凝った未来派ジャズ/フュージョンというテイスト。フレーズはアラン・ホールズワースを思い起こしますが、ホールズワースよりはジャズ寄りで、より硬質でテクニカルな感じです。同じホールズワース系のカナダ人ギタリスト、スコット・マクギルにも似たような感じです。

例によってマニア筋には堪らない魅力をもったプレイヤーですが、例によって廃盤状態。3部作の最終章にあたる「カートゥーンズ・アンド・アザー・ヒエログリフス」も制作中ということでしたが、リリースされた形跡は見当たりません。コンセプトといい、極端に少ない露出量といい、謎の多いギタリストですが、いま現在はいったいどんな活動をしているのでしょうか。

●Musicians
Geoffrey McCabe / guitars
Richard Martinez / piano,synthesizers
Wietn Wito / bass
Tom Brechtlien / drums

●Numbers
1.Ballad for the Romantic Desperado            
2.In the Force of an Hour            
3.Escape from Z-Nite            
4.Postings            
5.Dream Flight            
6.Between the Times
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Monopole59img600x5991244562717nuzgx ちなみにデビュー作「Teseract Complicity」ジャケット写真)はアナログ盤のみで発売。こちらは少しポップな感じです。

2009年12月 9日 (水)

Soft Machine / Bundles(1975年)

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Musician●Soft Machine
Title●Bundles(1975年)
■ディスクユニオンで購入

ジャズロックに大きな足跡を残したイギリスのカンタベリー系バンド「Soft Machine」。彼らの8作目にあたるこの作品「Bundles」(邦題は「収束」)は、バンドとして初めてギタリストを迎えて、カンタベリー派ジャズロックからフュージョン路線へと一大転換を図ったメルクマール的な重要な意味合いをもっています。

何といっても新加入のAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)の息の長いソロと目にも止まらない超絶技巧ぶりに接して度肝を抜かれます。ホールズワースはグループ加入以前に、ジョン・ハインズマン率いる「Tempest」での壮絶な超絶技巧で一躍スターダムへとのしあがりましたが、ここでのプレイはさらに磨きがかかり、 Soft Machineのようなジャズロックのフォーマットにも柔軟に対応できる実力をもっていることを見事に証明しています。「Hazard Profile」でのひつようにリフレインされるテーマに対して勇敢に斬りこんでくる流麗なソロは、当時もいまもジャズロックの金字塔的な名演です。また、アルバムタイトル曲の「Bundles」での人間の限界を遥かに超越したソロと、次曲の「Land Of The Bag Snake」に移行するまでのあまりに鮮やかで見事な展開は、いま改めて聴き直してみてもため息が出てくるばかり。ホールズワースはこの曲とアコースティックギターによるハーモニックスだけで構成された「Gone Sailing」の2曲を提供していますが、グループ全体で占める彼の重要度は、それ以上に及ぶどころか完全に牛耳っています。

ホールズワースはこのアルバム1枚のみに参加しただけでグループを脱退。トニー・ウィリアムス率いるライフタイムに加入しますが、その後の活躍ぶりを考えると70年代後半のジャズロックシーンは、間違いなくホールズワースを中心に回っていたことを改めて感じさせます。

そんなジャズロック史上に残る名盤にもかかわらず、一度CD化されたものの、それ以降は廃盤状態。なんとか良識あるメーカーさんが復刻してくれないものでしょうか。

ちなみにタイトルと下の写真はイタリア製で通称「NEON盤」と呼ばれるもの。中2枚はフランス盤で、下はCD(See For Miles Records)です。だからどうしたと聞かれるのがいちばん困ります。だって、入手したかったんだもの。

●Musicians
Roy Babbington / bass
Allan Holdsworth / guitar
Karl Jenkins / oboe,piano,soprano sax
John Marshall / drums
Mike Ratledge /organ,piano,Synthesizer
RaY Warleigh / flute on"The Floating World"

●Numbers
1.Hazard Profile Part1
2.Hazard Profile Part2
3.Hazard Profile Part3
4.Hazard Profile Part4
5.Hazard Profile Part5
6.Gone Sailing
7.Bundles
8.Land Of The Bag Snake
9.The MMan Who Waved At Trains
10.Peff
11.Four Gongs Two Drums
12.The Floating World

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2009年12月 8日 (火)

異次元空間ギタリスト、Guthrie Govan「Erotic Cakes」

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Musician●Guthrie Govan(guitar)
Title●Erotic Cakes(2006年)
■メーカーサイトより購入

今回、紹介するのは日本ではほとんど無名に近いイギリス人テクニカル系ギタリストGuthrie Govan(ガスリー・ゴーヴァン)のソロアルバム「Erotic Cakes」です。古くから「ミュージシャンズ・ミュージシャン」というべき存在は何人かいましたが、その域に達しそうな予感が早くも漂っています。そもそもは「ASIA」に在籍していましたが、いまではASIA脱退組のメンバーと「GPS」というプログレバンドを組んでいます。

マニア筋ではそのあまりのバカテクぶりが知られていましたが、あえて表現するとGreg HoweAndy Timmonsなどの系譜を汲みながら、さらに表現力とテクニックを凄まじくした感じ。時折聴かせる変態フレーズはSteve Vaiあたりを彷彿とさせます。ただ、一度聴いたら忘れられないフレーズを弾くアラン・ホールズワースみたいに唯我独尊的なプレイヤーではなく、なんとでも染まるタイプです。セッション活動が長いためからでしょうか。また、ギター教室の講師を務めていたからかもしれません。

冒頭の「Waves」。いかにもというテーマから、いきなり「泣きのフレーズ」が響き渡り、早くも引き込まれます。そして2曲目の「Erotic Cakes」では目が回るような強烈なスピードでリフが襲ってきます。それでいて流麗で可憐なソロ。とにかく格好良くて、少しでもギターに興味がある人にはぜひ聴いていただきたい代物です。とにかくあのGreg Howeが驚いて腰を抜かしたとか抜かさなかったとか、というレベルですから、一体何が起きているかがわかりません。

といいつつ一部の店舗を除き、日本では入手できないのが残念な限りです。ギター1本のインスト物はマニア筋にしか受けないという理由から、どうしても日本では冷遇されてしまうようです。Richie KotzenとBumblefoot(Ron Thal)が友情参加しています。


●Musicians
Guthrie Govan / guitars
Seth Govan / bass
Pete Riley / drums

Richie Kotzen / guitar on‘Ner Ner’
Bumblefoot / guitar on‘Rhode Island Shred’

●Numbers
1.Waves
2.Erotic Cakes
3.Wonderful Slippery Thing
4.Ner Ner
5.Fives
6.Uncle Skunk
7.Sevens
8.Eric
9.Slidey Boy
10.Rhode Island Shred
11.Hangover
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2009年12月 7日 (月)

海外からCDを購入する③

三度、海外の販売サイトをご紹介します。ジャス系のサイトも若干…。

■<Jazzos com>イタリアのジャズ専門販売サイトです。イタリアンジャズは日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、エンリコ・ラヴァなどをはじめコアなファンが多いようです。思わぬ掘り出し物が見つかります。CDはもちろんセコハン、LPなども扱っています。ミュージシャン検索は通常「名前→ファミリーネーム」で探しますが、なぜかここでは「ファミリーネーム→名前」と打ち込みます。
お勧め度★★★★5つが満点)
Jazzos com

■<Label Bleu>
販売サイトというよりメーカーサイトです。「Label Bleu」は知る人ぞ知るフランスのジャズレーベルですが、フリー、フュージョン、ライ音楽など尖鋭的で意欲的な作品を送り出しています。
お勧め度★★★★5つが満点)
Label Bleu

■<Lion Music>
メタル系販売サイトの定番。結構マイナーなミュージシャンまでカバーしています。新進気鋭のミュージシャンにとっては登竜門的な存在。CDのほかメタルファンにとっては必須アイテムとも言える(?)Tシャツも販売しています。
お勧め度★★★★5つが満点)
Lion Music

■<Liquid Note Records>
通称「LNR」と呼ばれるテクニカル系ギタリスト専門サイト。正確に言うとレーベル専門サイトですね。当然、所属ミュージシャンに限られるため品揃えは少ないです。オランダ出身のテクイカル系ギタリスト、Richard Hallebeekやイタリア出身のAlessandro Benvenutiなどの名前が見られます。
お勧め度★★★★5つが満点)
Liquid Note Records

■<Musea Records.com>
フランスのプログレ専門の販売サイトです。とてつもなくマイナーな代物が入手できます。驚くことに日本ではとっくの昔に廃盤扱いになっている日本のプログレを復刻して販売しています「美狂乱」「ミスター・シリウス」などの名盤が国内ではなかなか入手できないのに、ここで入手できることはありがたい半面、なんだか複雑な心境です。
お勧め度★★★★★5つが満点)
Musea Records.com

■<Screwgun Records.com>
フリー系ジャズのレーベルサイトです。フランスのフリー系ギタリストMarc Ducretやフリー系サックス奏者Tim Berneなどのファンは必見です。最近はMP3の販売もしています。
お勧め度★★★★5つが満点)
Screwgun Records.com

■<World Disque Web>
たまには国内のサイトも。ユーロロックとプログレ専門という好事家にとっては堪らないお店です。イタリア、フランス、ドイツ、北欧などと国別に分けて販売しています(この業界?では常識中の常識ではありますが)。何か目新しい音楽、ミュージシャンなどを新たに見つけたいときにのぞいています。
お勧め度★★★★★5つが満点)
World Disque Web

2009年12月 6日 (日)

アジア系ギタリストの繊細な味わい、Nguyen Le

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Maghreb & Friends(1998年)
■Amazon Franceより購入

ご存じのとおりフランスはかつてベトナムやアルジェリアなどを植民地にしていました。イギリスなどのほかの宗主国と違って興味深いのが植民地の文化を巧みに吸収し、自国の文化と融合させて新たな文化を作っているという点です。アルジェリア周辺の肥沃な土地を「マグレブ地方」と言いますが、現地の音楽とヨーロッパ的な音楽とを融合させた音楽を「ライ音楽」 と呼びます。フランスは国策としてライ音楽の振興を進めているそうです。なるほど芸術の国と言われるゆえんですね。

今回紹介するのは、パリ生まれのベトナム系フランス人ギタリストNguyen Le(グエン・レ)の作品です。サウンドとしてはベトナム民俗音楽風の一辺倒と思いきや、ほかにもライ音楽、ジャズ、ハードロックなどのエッセンスを取り入れています。全曲に通じて聴かれるなんともこ気味よいパーカッションとエスニックなコーラスに乗じてNguyen Leの超絶技巧が響き渡るという感じです。それほど弾き倒すという感じではないのですが、一度聴いたら忘れられない独特のフレーズはかなりの個性派という印象を受けます。

Nguyen Leのギタープレイはスコット・ヘンダーソンとアラン・ホールズワースのプレイを足して2で割ったような音作りとよく言われますが、確かに極めて滑らかで繊細なフィンガリングは両巨頭を彷彿とさせます。かといって、たとえば両巨頭と同じアングロサクソン人が同様のことを目指してもおそらく同じ音は出せないでしょう。表現が難しいのですが、音の端々に、音間の微妙な「間」に、ビブラードの微妙なニュアンスに、アジア人らしい繊細さとこだわりがうかがえます。

個人的にはアジア系ギタリストだからこそ出せる、微妙な味わいに注目していただきたいと思います。聴けば聴くほど味わいが出てくる「するめイカ」的音作りは、西欧人にはなかなかできない芸当だと思います。生まれて初めてベトナム風春巻きを食べたときには「?」と思う人も多いかと思いますが、慣れるにしたがって次第に病みつきになるケースが多いと聞きます。実は、私もほとんど毎日のようにこのアルバムにはまってしまっています。

●Musiciians
Nguyen Le/el. & ac. guitars, fretless bass
Karim Ziad/drums, gumbri, perc & vocals
Michel Alibo/electric bass
Bojan Zulfikarpasic/acoustic piano etc.

●Numbers
1.Ifrikyia
2.Constantine
3.Louanges
4.Yhadik allah
5.Nora
6.Funkrai
7.L’Harka li jeya
8.Guinia
9.Nesraf
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2009年12月 5日 (土)

海外からCDを購入する②

今回も、海外販売サイトのご紹介です。
比較的レアな商品をお探しの方にお勧めです。

■<Jazz com>文字通り、ジャズ専門の販売サイトです。モダン、エレクトリック、フリーなどジャンル、品揃えは圧倒的です。「まさか、こんなのはないだろう」と思っても、結構あるのでお勧めです。難点は売値が高めなこと。郵送料を加算すると、気がつけば1枚4000円くらいになってしまいます。まず、比較的廉価なAmazon.comで探して、どうしても見つからない時に頼っています。
お勧め度★★★5つが満点)
Jazz com

■<CD Baby>Amazon.comと並び、比較的大衆向けの販売サイトです。ロック、ポップス、ジャズなど守備範囲が広い割に思わぬレア商品が見つかったりします。CDの場合、「ケース入り」か「ケースなし」を購入時に選択できます。当然、「ケースなし」のほうがお安くなります。空ケースが自宅にたくさん眠っている方には当然お勧め。CDの単価も比較的リーズナブルです。最近はMP3の販売も始めました。
お勧め度★★★★★5つが満点)
CD Baby

■<CD Express>ジャズ中心の販売サイトです。比較的、モダン、フリー系の商品の在庫が豊富です。あまり利用していませんが、単価が比較的高めなのがネックです。いくらほかを当たっても目当ての商品が見つからない、是が非でも手に入れたいときには頼りになります。
お勧め度★★★5つが満点)
CD Express

■<CD Zone>ロック、ポップス、ジャズと守備範囲が広いイギリスのサイト。どうやら小規模のディーラーと連携して、お客とお店とを結ぶブローカー型のサイトのようです。ただし在庫切れのアイテムが多いのが欠点。比較的マイナーなミュージシャンもカバーしてくれていますが、ほとんどが「在庫切れ」という悲しいケースもあります。単価は比較的安めです。
お勧め度★★★5つが満点)
CD Zone

■<Crazy-diamond Records.com>ロック、プログレ、ジャズ・フュージョン系に強いオランダのサイトです。とにかくレア志向に徹していて、とても普通では入手できない自主製作盤やとっくに廃盤になったCDでも見つかったりします。それだけにすぐソールドアウトになることも。それでいて単価が安いのが魅力です(現状ではCD1枚が平均10ユーロ)。本音では実はあまり人に教えたくありません。検索システムもフルネームを打ち込まないと探してくれない頑固なものではなく、一部単語でも懸命に候補を見つけてくれるので、大変助かります。
お勧め度★★★★★5つが満点)
Crazy-diamond Records.com

2009年12月 4日 (金)

ELLIOT FREEDMAN GROUP / SAME(1997年)

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Musician●Elliot Freedman Group(guitar)
Title●Elliot Freedman Group (1997年)
■海外の個人より購入

先にご紹介した「ホールズワースチルドレン」は師匠そのものがマニア好みということで、マニアがマニアを呼ぶ形で世界のあちらこちらで散見されます。

ここで紹介するのは、カナダ出身のAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のフォロワー、Elliot Freedman(エリオット・フリードマン)です。1997年に発売された唯一のアルバムはどうやら自主製作盤のようで、いまはほとんど流通していないと思われます。

ジャケット写真を見ても横顔だけだし、プロフィールも一切不明。ギターはスタインバーガーだということくらいしかわかりません。一発屋どころかまるで不発のElliot Freedmanですが、アルバムの中身はなかなか聴かせてくれます。メンバーはほかにベースとドラムというトリオ構成で、サウンドはちょうどホールズワースの「IOU」「Road Games」あたりに酷似しているというより、まさにクリソツです。流麗なレガート奏法、アームを利かせる変態フレーズの連発、キーボードライクなコード展開、そして超絶技巧の数々と、黙って聴かせれば「80年代ホールズワースの未発表音源発掘!」と言っても気がつかないと思われます。

暴言を承知で言えば、師匠格・ホールズワースは作曲能力の点で、若干問題があります。よく言われるのが「ギターが凄いけど、曲がつまらん」という例のアレです。このElliot Freedmanも師匠に負けず劣らず作曲能力に問題があるようで、ずっと聴き続けるには、よほどの忍耐力か、ホールズワース愛がないと、途中で脱落してしまいそうです。

それにしても某サイト(英文)では「Ultra Rare!!」と書かれるこの珍盤は、おそらく国内ではどこのCD屋に行っても見つからないと思います。海外通販サイトでも同じような状況です。Yがつく某最大オークションサイトでは、過去1回出品されたことがあります。私はというと、個人でCDをトレードしている人(アメリカ人)を見つけ出して、拙い英文メールを送って何とか譲ってもらいました。確かPay Pal通しで15米ドルくらいだったと思います。このアルバムの在庫があるCD屋さんがいたら、最大級の賛辞をお送りしたいと思います!

●Musicians
Elliot Freedman / guitar
Marc Rogers / bass
Paul Mason / drums

●Numbers
1.Taylor Mason   
2.Taming Restless Arcs   
3.Eight Main Exit   
4.Open Architectures
5.Our Reconcilable Distance   
6.Strictly Plutonic   
7.Mr. Scurlock
8.Imprints   
9.Trajectum   
10.The Human Condition   
11.A Sonnet For Copperthread   
12.The Silent Path    
13.Thereabouts   
14.No Reservations
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2009年12月 3日 (木)

NICO STUFANO / WAITING FOR..(2002年)

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Musician●Nico Stufano(guitar)
Title●Waiting for.. (2002年)
Jazzos comより購入

奇天烈系音楽を探索していると、師匠格のミュージシャンのフォロワーが気になってきます。よく言えばインスパイアされたフォロワー、悪く言えば「そっくりさん」、さらに悪く言えば「パクリ」ということになります。しかし、師匠はもちろんパクリをも含めて愛してしまうのが奇天烈音楽士の哀しい性(さが)です。

ここで紹介するのは、ずっと追いかけている英国人ギタリスト、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)のフォロワーです。ホールズワースは1946年生まれで実際に表舞台に立ったのが1970年代の初頭。ちょうどこの時期にギターにハマっていたギターキッズたちが、「第1次フォロワー」「ホールズワースチルドレン」という計算になります。師匠は相変わらずマイナーな存在ですが、丹念に探していくとさまざまなフォロワーが見つかります。今回紹介するフォロワーはイタリア出身のNico Stufano(ニコ・スタッファノ)です。

Nico Stufanoは自他共に認めるアラン・ホールズワースのフリークです。2002年に発表されたこの作品は、雰囲気としてはIOU やRoad Gamesの頃のホールズワースに似ていますが、その真似ようといったら半端ではなく、何も知らない人が聴いたら十中八九、ホールズワース本人による演奏と疑うことはないであろうという徹底ぶりです。ただ何度も聴いてみると、音はホールズワースよりもさらにアタックはソフトで、かつフレーズも比較的マイルドで、また本家ほどには弾きに弾きまくるというほどではありません。全体としては「心優しいホールズワース」という仕上がりですが、作曲能力は本家よりも数段上で、通しで聴いてもあまり飽きがきません(笑)。もちろん決めるべきところでは、本家に匹敵するほどの超絶技巧を披露しています。

資料がとても少ないのですが、本人は1961年イタリア生まれですから、「フォロワー第1世代」という感じで納得できます。彼自身は1991年に「Trace of Jazz」というアルバムも出していますが、こちらでもかなりのフリークぶりを披露しています。どちらの作品も品薄なようで入手が困難ですが、「Trace of Jazz」はイタリアのジャズ専門サイJazzos com」で今も購入可能です。「Waiting For..」は国内の某レコードショップに入荷していましたが、いまは取り寄せという状況です。ホールズワースフリークの人は機会があれば一度聴いてみてはいかがでしょうか。



●Musicians
Nico Stufano / guitar
Mario Rosini / keyboards,vocals
Paolo Romano / bass
Mimmo Campanale / drums
Maurizio Quintavalle / double bass

●Numbers
1. Secret Mirror
2. Pandi
3. Forever
4. Without Start
5. Waiting for Summer
6. Moontrappers
7. Koi Koi
8. Flying over the coast
9. Funkopen
10. The last room
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2009年12月 2日 (水)

変態ギタリストRon Thalのデビューアルバム

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Musician●Ron Thal(E Guitar)
Title●The Adventures of Bumblefoot(1994年)
■Gemm.comより購入

私がひそかに提唱しているカテゴリーに「変態ギタリスト」があります。その変態ギタリオストの始祖は、いまは亡きフランク・ザッパだと思われますが、要はパターンに当てはまらない国籍不明のフレーズを連発するギタリストは、ほとんど変態ギタリストだと思ってください。今回、紹介するRon Thal(ロン・サール)は現役変態ギタリストです。12歳でギターをはじめ、13歳で人に教えていたという成り立ちからして変態です。ねじ曲がったヘンテコなフレーズをとんでもない超絶技巧で弾きこなすという、マニアにとってはたまらない存在です。1994年、シュラプネルレコードよりリリース。

楽曲そのものは、テクニカル系あり、ストレートなロックあり、ジャズあり、ブルースあり、ファンクありとまさに変幻自在。逆に言えばロン・サールの本当のルーツな何?と問いたくなるほどの多面性を見せています。ロン・サールをもって「オルタナティヴ系」「グランジ系テクニカルギタリスト」と評する人がいますが、実はよくわかりません(言葉の意味がしっくりこないという面もありますが)。わかりやすく言えば、亡きフランク・ザッパの影響を強く受けているように感じます。ザッパのように演劇まで披露はしないと思いますが、一見人を食ったようなニヒルさと茶目っ気は、間違いなくザッパの流れを汲むものです。当然、ザッパつながりでスティーブ・ヴァイとの共通項もかなり発見できます。

以前、別の原稿で「全世界的に品薄」と書きましたが(少なくとも最低でも1万円くらいのプレミア付きでした)、いつの間にか再発売されているようです。少なくともアマゾンでは購入可能です。プレス数はそんなに多いとは思えず、すぐに廃盤になることが予想されます。お探しの方(?)は今すぐポチってみては?

●Musician
Ron Thal / bass,guitar,drum
Chris Piazza / slap bass
JB / timbales

●Numbers
1. Bumblefoot
2. Orf
3. Scrapie
4. Blue Tongue
5. Limberneck
6. Q Fever
7. Strawberry/Footrot
8. Ick
9. Malignant Carbuncle
10. Rinderpest
11. Strangles
12. Fistulous Withers
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ホールズワースも認めた「変態ギタリスト」Steve Topping

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Musician●Steve Topping(guitar)
Title●Time and Distance(2000年)
■audiophileimportsより購入

元「イエス」のベース奏者、クリス・スクワイアのソロプロジェクトや元「UK」のデビッド・クロスなどとの共演で一部マニア筋には知られている、Steve Topping(スティーブ・トッピング)のソロデビューアルバムです。2000年のリリース。あえてジャンル分けをすれば限りなくジャズに近いフュージョンということになりますが、プレイの内容は変態そのもの。元祖「変態ギタリスト」アラン・ホールズワースが絶賛した、いや絶賛していないとかで話題になっていますが、私が勝手に想像するには、ホールズワースが絶賛したというならば、それは「早弾きテクニック」ではなく、「異常なまでのオリジナリティー(言い換えれば、誰にも真似できない変態フレーズ)」だと思います。

楽曲自体も結構暴力的でハードなものが目立ちますが、特筆すべきは、予測不可能な捻じ曲がった変態フレーズが随所にあふれているという点。その変態性に関しては、他のギタリストに類似性を求めることは難しいかもしれません。でも、あえて探すとちょうどジョン・マクラフリンの「火の鳥」を初めて聞いたときの印象に似ています。そうです、音自体はそれほどでもないのに、グサグサと刺さってくるような印象が似ています。そんなことを考えていたら、ラストの「Life Divine」という曲はジョン・マクラフリンの曲のカバーでした。

しかし、このSteve Topping といい、ジョン・マクラフリンといい、アラン・ホールズワースといい、3人ともイギリス人。あまり物事を深く考えないアメリカでは、おそらくこんな人材は生まれてこないでしょうね。

といいつつ、このアルバムの次に1枚出しただけのSteve Topping。やはり生き方そのものも尋常ではありません。

ついでに別デザインのジャケットもアップします。

●Musicians
Steve Topping / guitar
Paul Carmichael / bass
Gary Husband / drums

●Numbers
1.Adrenalin
2.Amongst the Leaves
3.Renewal, Pt. 1-2
4.Blueways
5.Watercolour
6.Son of Spock
7.Fossil
8.Time and Distance
9.Life Divine
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2009年12月 1日 (火)

海外からCDを購入する①

最近はCDを購入するというより、iTunesあたりに代表されるように、サイトからダウンロードする人がかなり増えていると思います。しかし、廃盤扱いだったりレアな代物はやはり直接CDを購入するしか方法がありません。「漁盤生活」を送るうえで、個人的にお勧めの海外サイトをご紹介します。

そんな面倒なことをしないでもAmazon があるだろうと思われるかもしれませんが、世の中うまくいくとは限りません。もちろん、Amazon USAAmazon UKAmazon GermanyAmazon FranceAmazon Canada でも購入できます。中国語が堪能な方なら、Amazon China という手もありますが、品揃えがどうかは不明です。


■<Abstract Logix>
まず、結構レアな代物が入手可能なAbstract Logix。ときどきセールス割引も。ジャズ・フュージョン系にめっぽう強いです。また、レーベル専門のダウンロードコーナーもあります。
お勧め度★★★★★5つが満点)
Abstract Logix

■<gemm.com>中古品専門ですが、中古だけに思わぬ掘り出し物が見つかります。また、カセット、LP、DVDなども扱っています。個人的にはアナログLPをここからよく購入しています。また、気になるアルバム、ミュージシャンを「Want List」として登録すると入荷次第、メールで知らせてくれます。
お勧め度★★★★5つが満点)
gemm.com

■<audiophileimports>名前のとおり、ジャズ・フュージョン系の在庫が豊富です。欠点はサイトの管理が甘いためか在庫切れにも関わらずリストに載っています。注文してもなかなか届かないので問い合わせると、あっさり「在庫切れなのよ、ソーリー」というふざけたメールが来たりします。それなら注文の段階で教えてほしいものです。
お勧め★★★5つが満点)
audiophileimports

■<guitar9>これも名前の通りギター中心のアルバム中心の品ぞろえです。ロック、ジャズ、フュージョン、プログレと守備範囲は広くお勧め。気になるアルバムを登録しておくと、メールでお知らせしてくれます。在庫数が「残り何枚」というように表示されるので、計画的に(?)購入できますね。
お勧め度★★★★★5つが満点)
guitar9


いまは「円高ドル安」でトヨタや東芝などの輸出依存型企業にとっては大変な状況ですが、円高は私のような個人輸入者にとっては大変ありがたい状況ですね。すみません。

クリームのジンジャー・ベイカーの息子、Kofi Baker

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Musician●Kofi Baker(drums)
Title●Karisma(2003年)
■Abstract Logixより購入

スポーツ界では2世があまり活躍できないようですが、音楽の世界では結構、2世、3世が活躍しているようです。今回、紹介するのはあの名グループ「クリーム」の打楽器奏者、ジンジャー・ベイカーの息子Kofi Baker(コフィ・ベイカー)。やはり父親と同様に打楽器を担当していますがたまにキーボードも操るようです。参加ミュージシャンは、Ric Fierabracci(b)、Brett Garsed(E Guitar)、Jermey Barber(Vio)、Rue Phllips(Vo)という構成です。Ric FierabracciBrett Garsedは有名ですが、ほかの人は勉強不足で知りません。

サウンドというといま流行りの未来派フュージョン音楽という感じですが、ポイントはギターのBrett Garsed。中指と人差し指から叩き出される相変わらずの奇天烈ギターが泣き叫ぶわけですが、全体の妙にトロピカルなサウンドとのミスマッチが何とも不気味です。

さてこの作品、日本ではおそらく流通していないと思います。輸入盤に頼るしか方法がないのですが、奇天烈音楽の宝庫、Abstract Logixがお勧めです。

●Musicians
Kofi Baker / drums
Brett Garsed / guitar
Chris Clayton/ guitar
Ric Fierabracci / bass
Jermey Barber / vocal
Rue Phillips / vocal

●Numbers
1.Turkey and Rice
2.Good on Yar
3.Sunbeam
4.Sticky Jam
5.Nome
6.Sea Breeze
7.Drums on Mars
8.Sticky Jam Lost Minute
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Tony Williams / Lifetime:The Collection(1975-1976年)

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Musician●Tony Williams(drums)
Title●Lifetime: The Collection(1975年&1976年)
■ディスクユニオンで購入

弱冠17歳(!)でプロデビューし、マイルス・デイビスのバンドで活躍した“地下鉄ドラマー”トニー・ウイリアムスが結成したLifetimeの「ビリーブ・イット」(1975年)と「ミリオン・ダラー・レッグス」(1976年)の2枚のアルバムをカップリングしたお得なCDです。1~6が「ビリーブ・イット」、7以降が「ミリオン・ダラー・レッグス」からの曲です。

第1期のLifetimeではジョン・マクラフリンをギタリストとして迎えて、一種混沌としたカオスの世界を表現したトニー・ウイリアムスですが、この2作では一転してロックタッチで分かりやすい音作りを志向しています。特にマクラフリンと同じイギリス人ギタリスト、アラン・ホールズワースを迎えたのが大きい要素だと思います。第1期は確かにジャズロックシーンを語るうえでは第1期Lifetimeは重要ですが、聴きやすさという点ではこの時期が一番です。まさにジャズロックの金字塔と言っても過言ではありません。

全編がトニーとアランの激しい超絶技巧で埋め尽くされていて、言いようのない緊張感をもたらしています。特に「ビリーブ・イット」での「Fred」「Proto-Cosmos」で聴かれる二人の激しいバトルは後世に語り継がれるといっても過言ではないほどのベストプレイでしょう。ソフト・マシーンなど、おもにイギリスに本拠地を置いていたアランをわざわざ呼び寄せただけの価値があります。

「ミリオン・ダラー・レッグス」では、前作の基本フォーマットを継承しながらも、ややファンク色を打ち出したサウンドが随所に見られます。前作で感じられた異様なほどの緊張感はやや薄らぐ嫌いがありますが、それでも決めるべき場所では決めるという感じでしょうか。ただ、アラン・ホールズワースの持ち味があまり生かされていないように感じます(案の定、アランはその後脱退してしまいます)。「Inspirations Of Love」ではストリングスを取り入れるなどの実験を試みていますが、今ひとつシックリと馴染んでいないように感じられます。これは、個人的な好みですが、「ミリオン・ダラー・レッグス」よりも、スタジオライブ的な荒々しさと緊張感がみなぎる「ビリーブ・イット」のほうが、作品としては優れているのではないでしょうか。

この「ビリーブ・イット」は未発表テイクを2曲追加したヴァージョンも出回っていて、どちらを買うか悩むところですが、まずこの「The Collection」を十分に聞き込んだうえで、「ビリーブ・イット」のボーナストラックを聴くと深く楽しめると思います。

さて、最近になって同時期に在籍したアラン・ホールズワース(g)はやはり同メンバー、アラン・パスクァ(Key)と組んで「Blues For Tony」 というトリビュート物を出しています。若い2人にとっては大きなステップになったばかりか、このアルバムがいまなお強い影響を与えていることは言うまでもありません。



●Musicians
Tony Williams / drums,vocal
Allan Holdsworth / guitar
Alan Pasqua / keyboard
Tony Newton / bass,vocal

●Numbers
1.Snake Oil
2.Fred
3.Proto-Cosmos
4.Red Alert
5.Wildlife
6.Mr. Spock
7.Sweet Revenge
8.You Did It to Me Baby
9.Million Dollar Legs
10.Joy Filled Summer
11.Lady Jane
12.What You Do to Me
13.Inspirations of Love
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